はじめに
最近、「社内のデータを活用したオリジナルのChatGPTを作りたい!」という声をよく聞きます。ただ、これまではシステム構築のハードルが高く、専門的な知識やプログラミングが必要でした。
そんな中、Microsoft Azure OpenAI Service に「Add your data」という超便利な機能が登場しました!
この機能を使えば、なんとノーコードで、自社の資料を活用したオリジナルChatGPTが簡単に作れるんです。
この記事では、エンジニア初心者でもわかるように、「Add your data」の基本からセットアップ方法、仕組みまでわかりやすく解説します!
「Add your data」ってどんな機能?
「Add your data」とは、自社の資料やデータを、簡単にChatGPTの回答に反映できる機能です。
通常、独自データを使ったChatGPTを作る場合、以下のような複雑な構成が必要でした。
- 自分でデータベースを準備
- ファイルを読み込む仕組みを開発
- チャットとデータ検索を結びつけるプログラムを書く
これらを全部 Azure がノーコードでやってくれるのが「Add your data」です。
具体的に何ができる?
- WordやPowerPointのファイルを自動で読み込み
- 検索用のデータベース(Azure Cognitive Search)を自動で作成
- そのデータを使ってChatGPTが回答してくれる
しかも、ほぼクリックだけでセットアップ可能。
プログラムを書く必要はありません!
実際にやってみた!セットアップの流れ
1. 事前準備
- Microsoft Azureのアカウント(無料アカウントでもOK)
- Azure OpenAIの利用申請(事前に有効化が必要)
- Azure Cognitive Search(検索用データベース)
2. Azure OpenAIのプレイグラウンドで設定
- Azureポータルの**「OpenAI Studio」**にアクセス
- 「チャット」→「Add your data」タブを選択
- 「Add a data source」で、自分のAzure Cognitive Searchを選ぶだけ!
ファイル(Word, PDF, PowerPointなど)は、AzureのBlobストレージにアップロードすれば自動で読み込んでくれます。
ここまでノーコード&クリックだけで完了!
3. 自社チャットアプリを公開
- 「Deploy to Web App」を選択すると、自動でWebアプリが公開されます。
- このWebアプリは初期設定で社内認証(Azure AD)が有効なので、社外の人はアクセスできません。
4. 数分待てば、社内専用のChatGPTが完成!
Bing Chatのように、どの資料を参考に回答したかが表示されるので、非常に安心感があります。
Webアプリの中身はどうなっているの?
デプロイされたWebアプリは、**Python(Flaskフレームワーク)**で作られています。
驚くことに、このWebアプリのソースコードはGitHubで公開されていて、自由にカスタマイズも可能!
さらに、このWebアプリはAPIとしても利用できるので、別のシステムと連携したい場合も非常に便利です。
「プロンプトがない!?」どういうこと?
通常、ChatGPTに独自データを使わせる場合は、プロンプトでこう書きます。
「以下のデータだけを使って回答してください」
でも、この「Add your data」では、プロンプトを書く必要がありません。
理由は、Microsoftが独自のAPI「Completions extensions API」で、裏側で自動的にデータとつないでくれるからです。
つまり、ユーザーは何も意識しなくても、自社データに基づいた回答が出てくる仕組みになっています。
このAPIは日本語ドキュメントがまだ少ないですが、Microsoft公式の英語リファレンスには詳しく載っています。
日本語の精度はどうなの?
ここはまだ発展途上ですが、重要なポイントを整理します。
精度に影響するポイント
- 読み込む資料の質が大事!
検索しやすい文章かどうかが大きく関わります。 - 検索クエリの変換がまだ英語寄り
例えば「タワマンに住みたい」と入力すると、「タワマン 住みたい 物件」みたいなキーワードに変換されますが、この部分がまだ英語向けに最適化されているようです。
とはいえ、プレビュー版なので今後日本語精度も改善される見込みです。
システムプロンプトはカスタマイズできる
実は「Add your data」で簡単にChatGPTのキャラクターを変えることも可能です。
Webアプリの環境変数に「AZURE_OPENAI_SYSTEM_MESSAGE」という項目があり、ここに設定した文章がChatGPTの初期指示として使われます。
例:
textコードをコピーするあなたはとても親切なサポート担当者です。
敬語で回答してください。
ただし、この部分の文字数には制限があるので、長すぎるプロンプトは設定できません。
閉域ネットワーク(プライベート環境)にも対応
セキュリティが厳しい会社でも安心です。
申請すれば、インターネット経由ではなく、社内ネットワーク内だけで動作する構成も可能です。
手続きはMicrosoftに申請を出すだけで、だいたい5営業日ほどで利用できるようになります。
これにより、社内の機密情報を安全に活用したChatGPTの運用が実現できます。
おすすめの活用シーン
- 社内のマニュアル検索
- FAQボットの作成
- 業務資料の簡易検索
- 社内ヘルプデスクの自動化



