1. クラウドサービスレイヤーの立ち位置
Snowflakeの全体像の中で、このレイヤーは常に最前面で動作しています。
- クラウドサービスレイヤー(脳):リクエストの受付・管理・最適化
- クエリ処理レイヤー(筋肉):仮想ウェアハウスによる実際の計算
- データベースストレージ(胃袋):データの保管
2. 主な役割(何をしているのか?)
このレイヤーが担当している仕事は多岐にわたります。主なものは以下の5つです。
- 認証とアクセス制御: 「誰がログインしてきたか」「その人はこのテーブルを見る権限があるか」をチェックします。
- クエリの解析と最適化(オプティマイザ): 投げられたSQLを解析し、「どうすれば一番速くデータを取れるか」という実行計画を立てます。
- メタデータ管理: ここが最も重要です。 どのマイクロパーティションにどんなデータが入っているか(最小値・最大値など)の統計情報を管理しています。
- インフラ管理: 仮想ウェアハウスの起動・停止や、リソースの割り当てを自動で調整します。
- セキュリティ: データの暗号化キーの管理や、通信の保護を行います。
3. なぜ「脳」が重要なのか?(メリット)
① クエリ・プルーニング(読み飛ばし)の実現
以前説明した「マイクロパーティション」の統計情報をこのレイヤーが持っているおかげで、**「このクエリなら、ストレージにある100万個のファイルのうち、この3個だけ読めばいい」**という判断を、実際にウェアハウスを動かす前に行えます。これにより、無駄な計算コスト(お金)を大幅に削減できます。
② 「メンテナンスフリー」の正体
バックアップ、暗号化、統計情報の更新、古いデータの整理(Time Travel)などは、すべてこのレイヤーが裏側で自動的に行っています。ユーザーが ANALYZE TABLE などのコマンドを打つ必要がないのは、このレイヤーが常に働いているからです。
4. コストの仕組み
クラウドサービスレイヤーの利用料金は、仮想ウェアハウス(計算リソース)の利用料金に少しだけ含まれる形になっています。
- 原則: クラウドサービス自体の利用料は、1日のウェアハウス利用料の10%までなら無料です。
- 注意: 非常に大量のメタデータ操作(何万回もの小さなインサートなど)を行うと、10%を超えて追加課金されることがありますが、一般的な利用ではほとんど意識する必要はありません。
5. 仮想ウェアハウスとの違い(比較表)
| 特徴 | クラウドサービスレイヤー | 仮想ウェアハウス |
| 役割 | 管理・命令(脳) | 実行・計算(筋肉) |
| 実体 | Snowflakeが管理する共有リソース | ユーザーがサイズを選ぶ計算リソース |
| 起動 | 24時間365日常に稼働 | 必要な時だけ起動(自動停止可能) |
| 主な仕事 | 権限チェック、実行計画作成 | JOIN、集計、ソートの実行 |



