R&D適性:(Research & Development)で利用するツールや技術が、研究開発のスピード、柔軟性、再現性をどれだけ高められるかを評価する指標。
① スピード(開発・試行速度)
R&D では意思決定のスピードが圧倒的に重要。
評価ポイント
- 初期セットアップが早いか(1日以内が理想)
- API / SDK / CLI が使いやすい
- モデル・メトリクス・データ構造の変更反映が速い
- サーバレス or 自動スケールで「待ち時間」がない
適性例(高い):Snowflake、Cube、dbt、Power BI(Copilot)、Looker
適性例(中〜低):AtScale(企業向けのため速度より統制重視)
② 柔軟性(自由度・拡張性)
研究開発では仕様が頻繁に変わる。
厳密すぎる統制は逆に足枷になる。
評価ポイント
- コードでモデル管理できるか(YAML/DSL/コードファースト)
- データスキーマの変更に強いか(スキーマレス対応)
- 外部プログラミング言語(Python/JS)との親和性
- カスタム計算/独自ロジックを自由に埋め込める
柔軟性の高いツール:Cube、dbt、Superset、Databricks
柔軟性が低い(統制寄り):Power BI、AtScale
③ AI / LLM 連携適性(自然言語インタフェース、SQL生成)
これは今回の R&D の最重要評価項目。
評価ポイント
- LLM 用のメタデータ(メトリクス定義)を提供可能か
- LLM が正しい SQL を生成できるか
- セマンティックモデルの構造化が AI 向けか
- API 経由で LLM 推論ワークフローに組み込めるか
AI適性が高い
- Looker(LookML の構造化がLLM向き)
- Cube(SchemaがYAML/JSで扱いやすい)
- Snowflake Cortex(AIネイティブ)
- dbt Semantic Layer(構造化API)
AI適性が中
- Power BI(Copilotは強いが外部AI統合限界がある)
- AtScale(AI-Link対応で徐々に強化)
④ 実験性(PoC向けの使いやすさ)
「小さく試しやすい」ことはR&Dでは重要。
評価ポイント
- 無料で使えるか(OSS、Trial、Free Tier)
- 環境を使い捨てできるか(サーバレス・Docker)
- ドキュメントやサンプルの豊富さ
- 実験結果の共有と再現が容易か(Notebook/SQL履歴/Versioning)
PoC向き:Superset、Cube OSS、Snowflake Free Trial、dbt、BigQuery
PoC向きでない:AtScale(初期コストが高め)
⑤ 再現性とバージョン管理
研究成果を他者が再現できないと R&D としての価値が低い。
評価ポイント
- セマンティックモデルのGit管理
- SQL・ダッシュボード・メトリクスのバージョン管理
- IaC(Infrastructure as Code)対応
- テスト機能(モデルテスト・データテスト)
再現性が高い:dbt、Looker、Cube、Fabric(Git連携), Snowflake(支援強化中)
再現性が低い:Power BI(Desktop主体)、Superset(一部対応)
⑥ マルチスタック連携(API/API-first・他ツールと使える)
R&Dでは複数ツールを“組み合わせる力”が重要。
評価ポイント
- SQL / REST / GraphQL / Postgres Wire などAPIが揃っている
- BI・ML・LLM と自由につなげる
- データモデルを外部にPublish可能か(Metric Layer公開)
API-firstでR&D適性が高い:Cube、Snowflake、dbt、Superset
密結合のためR&D適性やや低め:Power BI、AtScale(ガバナンス重視)
⑦ コスト・トライアル性
R&D らしい「少額で動かす」「必要になったらスケール」が理想。
評価ポイント
- 無料枠やOSSで始められるか
- 少額でPoCできるか
- スモールスタートできるか(席課金よりリソース課金が望ましい)
コスト柔軟:Cube OSS、Superset、Snowflake、BigQuery、dbt初期負荷が大きい:Looker(初期導入コスト高)、AtScale(企業向け価格)



